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既卒の就活はなぜ大変と言われているのでしょうか。
一生に一度の「新卒カード」はもう使えないし、中途求人サイトで応募していいのかもわからない、そう思っていませんか?
このメディアを運営する当社(株式会社ログシー)も既卒者を新卒社員として採用しました。
当社の既卒社員が当時を振り返って「どうしたらいいかわからなかった」と話していたので、既卒就活の方法について悩んだり焦ったりする気持ちがよくわかります。
既卒就活を成功させるために、具体的に何が必要か一緒に考えていきましょう!
既卒の就活に必要なこと
就活は情報戦です!そして内定を獲得するためには行動量(力)も必要です。
具体的にどのような行動が必要になるのか、6つのステップにまとめました。
(1)新卒、既卒、第二新卒の違いを知る
(2)企業の採用ニーズを知る
(3)企業の求める人物像を知る
(4)内定をもらうために自分に足りないものを知る
(5)どのサイトでどうやって就活したらいいのか知る
(6)既卒就活を成功させるためにどのような行動が必要か
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
新卒、既卒、第二新卒の違いを知る
たとえば家電を購入する時も、複数の商品の良い点や悪い点を比較検討してから購入することが多いですよね。
内定を獲得するためには、新卒、第二新卒と比較して優れているポイントをしっかりとPRし、弱みとなる点をプラスに転換できるように対策することが重要なポイントとなります。
比較してアピールするためにも、まずは新卒、既卒、第二新卒の定義をそれぞれ把握しましょう。
新卒とは
一般的に3月31日付けで学校を卒業し、4月1日付けで企業へ入社する新社会人を指します。
就業経験がなく柔軟なため、自社の企業風土や文化に沿って育成し、将来の幹部候補を採用することを目的としている企業も多いです。
また内定式や内定者懇親会などで「同期」の横の絆もあり、中途入社者よりも入社後の定着率が高い傾向にあるので大手企業ほど新卒を好みます。
既卒とは
一般的に3月31日付けで学校を卒業し、4月1日以降も就職せず「正社員としての就業経験がない」求職者を指します。
企業の募集要項で「学校卒業後3年以内に就業経験がない方」は既卒を対象としています。
第二新卒とは
新卒で入社した企業を3年以内に早期離職をした方々を指します。
「正社員としての就業経験がある」ことや、「新入社員研修を受けている」のが大きな違いです。
企業の採用ニーズを知る
「人手不足と聞くけれど内定がもらえなかった…」「本当に人手不足なの?採用したいと思っているの? 」そんな風に思いながら就活していませんか?
正直そんなことはありません!なぜなら数年前と比べて既卒の門戸は広がっています。企業の採用ニーズをしっかりと確認していきましょう。
人手不足は本当、新卒も足りていない
帝国データバンクの調べでは2022年9月時点で正社員の人手不足企業の割合は50.1%になりました。
中小企業日本商工会議所の調べでは、人手不足と回答した企業は64.9%となっています。
大企業ではもちろんのこと、中小企業では特に人手が足りていません。
また、マイナビ社調べによると2023年卒の新卒採用充足率は81.8%で、予定数に足りていないという結果が出ています。
本来なら100名必要なのに約82名しか採用できなかった、ということになります。
この差分が「人手不足」となります。
新卒採用で充足できなかった企業はどうするのでしょうか?
多くは【既卒者を増やす】へシフトします。
既卒者の採用割合を増やす予定の企業は約4割!通年採用も増やす予定
経団連の調査によると、過去3年程度のトレンドは新卒:既卒の採用割合は9:1が最多でしたが、今後5年程度先のトレンドでは新卒:既卒の採用割合は7:3が最多です。(未定除く)
また、リクルートワークス研究所調べでは、通年採用を実施または検討している企業が38.1%となっています。
内定辞退など採用充足率が100%に達していない企業などが入社時期を限定せずに採用活動を行っています。
さらに、厚生労働省も大学等卒業後3年以内の既卒者を新卒として採用するよう企業側にも促しています。
これは「新卒カード」を使って入社できるということを意味し、既卒者にもチャンスがどんどん広がってきています!
企業が求める人物像は?
既卒者にチャンスが広がっていることがわかりましたね。
とは言え、ただ応募していても内定はもらえません。企業が求める人物像をチェックして、アピールできそうなところを探していきましょう。
企業が求める人物像「コミュニケーション能力が高い」「意欲的」
帝国データバンク調べによると、新卒に求める人物像は「コミュニケーション能力が高い」「意欲的」が4割超で、次いで「素直である」「真面目または誠実な人柄である」と【ポテンシャル・伸びしろ】を重視していることがわかります。
これは既卒も同様です。
特に在学中に「新卒入社するために就活に意欲的に取り組んでいなかったのではないか?」と誤解されないためにも、【意欲的であること】を一段とアピールする必要がありそうです。
既卒で内定をもらうために自分に足りないものを知る
企業からのお祈りメールには選考に落ちた具体的な理由は書いてないことが多く、なぜ落ちたのかわからないことも多いのではないでしょうか。
書類選考で落ちてしまった、面接がうまくいかなかった、そんな場合一体何を改善するべきか検証しましょう。
自己PR&自己分析が甘かったから、書類選考で落ちた?
エントリーシートや自己PR文に、どのようなことを書いていましたか?
「自分がどういう人間か」「アピールしたいこと」をもちろん書くと思いますが、それは「企業の採用担当者が知りたいこと」の視点から書けていたでしょうか?
改めて自己分析をしっかりと行い、その上で自分の強みや企業の求める人物像とどのあたりが合致しているかなど【自分のポテンシャル(可能性)をしっかり言語化してアピール】することが重要になります。
自己分析のしかたは、【転職必須】自己分析はしっかり行うべき?!やり方5選付き★でも紹介しています。
企業分析&志望動機が甘かったから、面接で落ちた?
自分ではバッチリだと思った志望動機でも「それってうちの会社じゃなくても良いのでは?」「あなたがやりたいことと当社の仕事内容が違いますよ」こんなことを言われて面接で撃沈したことはありませんか?
もしあるとするなら、残念ながら企業分析が全く足りていません。企業分析がきちんとできていないと、実は志望動機も上手につくれないのです。
企業のホームページを見ることだけが企業分析ではありません。同業他社と比較してどんなところに惹かれたのか、学生時代の経験でどんなことを活かしていきたいかなど、より厚みのある話ができないと内定獲得は難しいでしょう。
面接対策やマナー対策が甘かったから、面接で落ちた?
オンライン面接に慣れてしまうと対面の面接は一段と緊張しますよね。
コロナ前は、就職イベントや大学の就職課などで面接対策やマナーを教えてくれる機会もありました。コロナ禍ではそれが難しかったため、インターネットを活用して情報収集するなど独学だったケースも多いのではないでしょうか。
企業の採用担当者はたくさんの学生と接しているため、印象が良かった学生を選考通過させます。
面接に苦手意識があるのであれば、本番へ向けて練習も必要です。
特に第二新卒は入社後にマナー研修を受けていることも多く、比べられた時に劣っている印象を与えないようにマナー対策も必要です。
既卒が就活するなら?どのサイトで就活したらよいのか知る
新卒は新卒採用専用のナビサイトがありますし、第二新卒も若手向けの中途採用サイトがあります。
ところが既卒は既卒専用の採用サイトがありません。既卒を募集している企業が増えていることはわかりましたが、結局どれを見たらよいのでしょうか。
新卒採用サイトでさがす
募集対象が新卒に限定されている企業もありますが、中には既卒OKの企業も含まれています。
募集要項に『学校卒業後3年以内で就業経験のない方』などと記載されている場合は、
既卒を受け付けている企業です。
中途採用の求人サイト(第二新卒向け含む)でさがす
経験者を求める求人には残念ながら応募しても採用されるのは難しいでしょう。
未経験者や第二新卒歓迎の企業が狙い目ですが、就業経験がある人を求めている場合もあります。未経験や第二新卒OKで新卒採用を行っている企業は、すぐに就業できる既卒が歓迎されるケースもあります。
企業の採用ホームページやSNSでさがす
求人サイトに掲載されていなくても、人材を募集している企業も多くあります。
新卒採用活動をしている企業であれば、募集要項で学校卒業3年以内の方と記載があれば既卒も応募可能です。
通年採用を行なっている企業は、募集要項に既卒OKと明記されていることもあります。
また、TwitterやLinkedIn(リンクトイン)などSNSで募集しているケースもあります。
具体的な企業名などを検索する必要もあるため、情報収集能力の高さが問われるかもしれません。
人材紹介サービスでさがす
新卒の人材紹介サービスもあり、新卒採用が充足していない企業などが利用しています。
また大学卒業直前まで就活をしている学生に対して書類の書き方や面接対策をしながら、内定を獲得できるようサポートもしています。
学生時代、新卒入社するために利用されていましたか?
もし知らなかった、使っていなかったのであれば、内定を獲得できた学生と比べると情報収集や行動量(力)が足りていなかった、という可能性もあります。
人材紹介会社で取り扱っている求人については、募集企業から事前に求める人物像や募集要項が知らされています。
そのため、紹介してもらえる企業は既卒OKなので安心して応募できます。
もし
・新卒で入社せず既卒になった理由や意欲的なアピールを採用担当者に上手に話せない
・自己PR、志望動機、企業分析のやり方に自信がない、面接対策に不安がある
・どういう職種があるのか、どんな業界があるのかよく知らずに就活していた
・学歴や学生時代のエピソードに自信がなく、自分が応募できる企業なのかわからない
・新卒就活の際に人材紹介サービスに登録していなかった
・新卒採用サイト、中途採用サイト、企業ホームページから既卒で応募できる企業を探すのが大変
これらに当てはまるなら、人材紹介サービスに登録して、就活のプロ(キャリアアドバイザー)に相談しながら就職活動を進めていきましょう。
既卒就活を成功させるためにどのような行動が必要か
学生時代の新卒就活以上に気をつけなければいけないことは
・履歴書やエントリーシート、自己PR文を常に改善する
・面接対策を怠らない
・前向きな気持ちを維持する
・既卒で就活している理由をしっかり言えるようにする
・内省し、自分を客観視する
・情報収集をしっかりして後悔のない選択をできるようにする
です。日々改善も必要ですし、行動量も増やすことが必要になります。
気持ちを前向きに維持することは難しいかもしれませんが、自信がないように見えて面接の通過率が下がってしまうので注意しましょう。
既卒就活で後悔しない、今度こそ内定を獲得しよう!
繰り返しになりますが、就職活動の成功のカギは、情報収集、分析、行動力(量)そして前向きに取り組む姿勢です。仮に不採用になったとしてもどこがダメだったのか反省し、気持ちを切り替えて次に進むことが大切です。
周りも一緒に就活していた新卒と違い、既卒の就活は孤独な戦いになりがちです。
「Aを選択したけれど、知っていたらBを選んだのに」
そんな後悔がないように、有益な情報提供から、書類や面接の対策、つらい時には励ましてくれるプロの存在は、実はとても心強いものです。
キャリアアドバイザーに相談しながら、今度こそ内定を獲得しましょう!
~後悔しない就活をしよう!内定もらうためのプロへの相談(人材紹介登録)はこちら~
≪出典≫
帝国データバンク <速報>人手不足に対する企業の動向調査(2022年9月)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p221007.html
日本商工会議所「人手不足の状況および新卒採用・インターンシップの実施状況」の集計結果について~「人手が不足している」と回答した企業は64.9%と、過去最高水準に迫る~
https://www.jcci.or.jp/news/jcci-news/2022/0928110000.html
マイナビ2023年卒企業新卒内定状況調査
https://www.mynavi.jp/news/2022/11/post_37229.html
採用と大学改革への期待に関するアンケート結果
https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/004_kekka.pdf
リクルートワークス研究所 新卒・中途採用横断レポート
https://www.works-i.com/research/works-report/item/220627_saiyou.pdf
帝国データバンク 企業が求める人材像アンケート
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220905.pdf