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近年、人々の日常生活において切り離せない存在となった「IT」。デジタル化が加速する日本では、その市場規模も拡大の一途を辿っており、将来性が大いに期待できる業界です。
そんなIT業界は、就職先としても非常に高い人気を誇ります。就職難易度も決して低くないため、業界研究を入念に行うことはもちろん、面接で高評価を得るためのポイントなどをしっかり押さえてくことが重要です。
本記事では、「IT業界における面接対策」を紹介します。面接における攻略法や実際に聞かれる質問なども詳しく知ることができるので、IT業界を目指している方はぜひ参考にしてみてください。
IT業界とは
そもそもITとは、「Information Technology(情報技術)」の略称。インターネットやコンピュータを駆使し、情報技術を活用したサービスを展開しているのがIT業界です。
では、その詳しい実態について見ていきましょう。
IT業界の特徴
IT業界と一口に言っても、その実態は非常に複雑化しているため、すべてを正しく把握するのは難しいと言えます。
しかし、一般的には以下の5つに分類することができます。
・通信業界
・インターネット業界
・情報処理サービス業界
・ソフトウェア業界
・ハードウェア業界
近年の日本では、IT業界の慢性的な人材不足が課題となっています。技術の目覚ましい発展により、急速に拡大するIT市場に対応できる十分な人材が確保できていないのが現状です。
その上、今後もIT業界の需要は高まり続けることが考えられるため、就職先としては狙い目の業界であると言えるでしょう。
IT業界の市場規模
IT業界における2019年度の市場規模はおよそ12兆8,900億円、前年度比3.2%増。2016年からの業績は増加傾向にあり、IT業界の市場規模は今後も拡大し続けることが予想されています。(出典:矢野経済研究所|国民間IT市場規模推移と予測)
2020年からは新型コロナウイルスの感染が広まり、あらゆる業界の市場に影響を及ぼしました。
外出や他人との接触が制限される中、IT分野ではテレワークやオンライン無料通話(ビデオ)アプリなどが普及し、ITツールの存在は人々の生活の中でますます重要度の高いものとなったのです。
近年では、インターネットを活用してサービスを利用できるクラウドや、人工知能であるAI、5Gなど様々なIT技術の普及が始まっています。今後もITの発展は人々の生活に利便性をもたらし、今まで以上に身近な存在へと変化していくことでしょう。
参照:経済産業省|2020年版通商白書
IT業界の主な職種
IT業界の職種には様々なものがありますが、大きく分けると以下の4種類に分類することができます。
・開発職
・マネジメント職
・営業・コンサルティング職
・マーケティング職
それぞれの職種に求められる知識やスキルは異なるため、まずは自分に合った職種を見極めることが大切です。
中でも、IT業界の花形と言われるシステムエンジニアやプログラマー、Webデザイナーは開発職に含まれます。
動向が激しいこの業界で活躍するためには、トレンドを敏感に察知し、常に新しい技術を積極的に吸収していく姿勢が重要です。
IT業界で求められる人材
IT業界で求められる人材は、以下になります。
・論理的な思考で物事を判断できる人
・あらゆる観点から分析を行い、問題解決に導ける人
・積極的に自分のアイデアを提案できる人
・意欲的な姿勢で学習できる人
・コミュニケーション能力に長けている人
IT業界で働く上で必要なのは、「自ら考え、自ら動けること」です。
例えば、プログラマーであれば、トラブルが起こった際に原因や解決策を自分の力で突き止める。マーケティング担当であれば、ユーザーの視点に立ち、「どうすればサイトへの流入を増やせるか」をWeb上にある情報から徹底的に洗い出す。
このように、課題に対する解決策を自分の力で導き出し、それを実行に移せる力を持っている人はこの業界で活躍できる傾向にあります。
また、IT業界ではどの職種も基本的にはチームで動くことが多いため、仲間同士の連携は必須です。
そのため、コミュニケーション能力に自信がある人は、それを自分の強みとして面接でアピールしていくのが良いでしょう。
IT業界の面接攻略のポイント
どこの企業においても、面接では「なぜこの業界に興味を持ち、その職種を志望するのか」を明確に答えられることが重要です。
特に、IT業界は様々な職種が存在するため、「なぜその職種を選び、自分の強みをどのように活かして会社に貢献していくのか」をしっかりアピールする必要があります。
また、採用面接は面接官に「一緒に仕事をしたい」と思わせ、自分の魅力を存分にアピールする場です。まずは質問の意図を正確に理解し、冷静な気持ちで受け答えできるように心がけましょう。
その他にも、重要なポイントについて下記でまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
業界研究を早めに行う
上記でも少し触れましたが、IT業界は非常に幅が広く、複雑化している業界です。そのため、他の業界よりも面接前に押さえておくべき情報が多く、ある程度の時間をかけて対策を行うことが重要になるでしょう。
業界のことをきちんと理解していないと、知識を問う質問をされた場合、全く答えられないという事態に陥る可能性があります。知識量の多さは志望度の高さに比例すると考えられるため、答えに詰まってしまった場合は当然ながらマイナスの評価になります。
面接で好印象を持ってもらうために、業界研究は早めに始めることがおすすめです。
最新のトレンドについて定期的にチェックしておく
近年のIT業界では次々に新しい技術が誕生しているため、変化が激しいのがこの業界の特徴です。そのため、トレンドを敏感に察知する力は入社後も必要な能力として求められます。
IT業界のトレンドを把握するのにおすすめなのは、IT系ニュースサイト、雑誌・書籍、オンライン勉強会、Web系企業やエンジニアのブログなどです。
また、面接において面接官が重視しているポイントは、「応募者がどんな形で自社に貢献してくれるのか」。
どんな技術や産業が伸びているのかをしっかり把握できていれば、「入社後も継続的に学習してくれるだろう」という期待につながるので、日頃から積極的に情報を収集する習慣を身につけておきましょう。
話題になっている最新技術を実際に使ってみる
IT業界の面接では最新技術、特に志望企業で開発された技術に関して、面接で感想やその汎用性について問われることがあります。
たとえ、その技術について自分なりに理解していたとしても、実際に使ってみなければ得られない情報は非常に多くあるのです。
そのため、まずはその技術に実際に触れ、気に入っている部分や改善点などを自分なりに見つけ出しておくのが良いでしょう。
IT業界でよく聞かれる質問と回答例
<面接でよく聞かれる質問>
・志望動機を教えてください
・学生時代に頑張ったことは何ですか?
・長所と短所を教えてください
・あなたの強みとそれに付随するエピソードを教えてください
・IT業界の中でも弊社を選んだのはなぜですか?
・入社後に達成したい目標はありますか?
・興味のある技術や情報収集の方法について教えてください
・具体的にどのような形で弊社に貢献してくれますか?
・現在、ITに関して何を勉強していますか?
・将来的にはどんなエンジニアになりたいですか?
上記がIT業界でよく聞かれる質問です。IT業界を目指す方は、最低限これらの質問にスラスラ答えられるようになっておく必要があるため、面接を受ける前にまずは自分なりの回答を作ってみましょう。
以下では、これらの質問を3つピックアップし、回答例と解説をそれぞれ紹介しています。
志望動機を教えてください。
<回答例>
私が御社を志望する理由は、ITコンサルティングとして、人々が抱える様々な悩みをITを駆使して解決に導きたいからです。
私の父は地方で小さな日本料亭を経営しています。昨今の新型コロナウイルスの影響は父の店にも影響を及ぼし、父は売上が低下したことに頭を抱えていました。
私は何とかして父の力になりたいと考え、ECサイトでメニューの一部を売ることを提案し、実際にECサイトの運用を実施することにしました。
初めはなかなか上手くいかず試行錯誤の繰り返しでしたが、ネットや書籍などから情報を得て、商品の紹介文や画像などに工夫を凝らしながら熱心に運用を続けました。その結果、赤字だった業績を黒字へと変えることに成功したのです。
そのような経験から、私はITリテラシーが低いことは現代社会では生存危機に瀕する可能性があることを知りました。そのため、御社ではECサイト運用の経験から培った「継続力」と「ねばり強さ」を活かし、自分の知識力で多くの人を成功へと導きたいと考えます。(全426文字)
<解説>
志望動機は、志望する業界・職種に興味を持ったきっかけや、入社後に実現したいことなどが具体的であればあるほど、「仕事への本気度」を伝えることができます。
ポイントは、希望職種で自分の強みをどう活かせるかを伝えること。面接ではいかにライバルと差をつけ、自分の魅力を売り込めるかが選考突破のカギになります。
そのため、入社後にどのような形で貢献できるのかを面接官に提示することで、有用な人材であることをアピールできるようになります。
興味のある技術や情報収集の方法について教えてください。
<回答例>
興味のある技術はAR(拡張現実)で、情報収集は主に「ITmedia(アイティメディア)」というサイトで行っています。
ARに興味を持ったのは、近年大流行している「ポケモンGO」がきっかけです。ポケモンGOは、AR技術によりゲーム内のキャラクターを現実世界に反映させることで、ポケモンを捕まえたりバトルさせたりできるゲームです。
幼い頃からポケモンが好きだったこともあり、あたかも現実にポケモンがいるような不思議な感覚は、私をとても夢中にさせました。
また、「IT media」に関しては、IT業界に関する最新の情報を分かりやすく網羅することができるので、トレンドを知るために活用しています。(全291文字)
<解説>
この質問には、応募者のITに対する関心度の高さと、能動的に情報収集できる人材であるのかを判断する意図があります。
ポイントとしては、話に具体性を取り入れること。実際のエピソードや具体的な情報サイトの名前などを登場させることで、話により信憑性を持たせることができるため、高い評価を得られやすくなります。
現在、ITに関して何を勉強していますか?
<回答例>
私はWebデザイナーになるために、プログラミングに関する知識を学んでいます。
私はプログラミングを習得することで、デザインだけでなくサイトを自由にカスタマイズし、自分だけの魅力的なサイトを作り出したいと考えています。
また、エンジニアと共同作業をする際にも、知識を持っていることでスムーズに連携が取りやすくなり、仕事の能率も格段にアップします。
学習方法としては、主にオンライン学習ツールや書籍を活用しており、自分で実際にサイト制作も行っています。
今後も積極的な姿勢で学習に励み、御社に貢献できる人材になりたいです。(255文字)
<解説>
上記でも紹介しましたが、IT業界は技術の発展が目覚ましいため、次々に新しい知識を身につけていくことが重要です。
そのため、面接では「応募者が自分で努力できる人材なのか」を見極めることを目的に、このような質問をされることがあります。
何をどのように学んでいるのかを具体的に説明し、仕事に対する熱意をアピールしましょう。
まとめ
IT業界の領域は非常に複雑化しており、幅広い職種が存在します。選考を突破するためには、早期に業界研究を始め、自分に合った企業と職種を見極めることが非常に重要です。
これからIT業界の選考を受ける方は、さらに企業研究も入念に行い、その上で自分にしかない魅力を存分にアピールしていきましょう。
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