目次
テレビCMや雑誌、YouTube、SNSなど、日常的に利用する様々なものを通して目にできる広告。華やかさやクリエイティブ性が際立つこの業界は、就職先としても非常に人気が高いのが特徴です。
特に、実際に広告のデザインや言葉を自らが生み出す仕事に挑戦してみたいと考えている方は、ユニークな発想力はもちろん、流行を敏感に察知する力や人々のニーズを的確にくみ取る力など、様々な能力が求められます。
ライバルの多いこの業界で就職するためには、まずは業界研究を入念に行い、他者と差を付けられる自分の強みを理解しておくことが重要になるでしょう。
本記事では、「広告業界における面接対策」を紹介しています。広告業界に就職したいと考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
広告業界とは
広告とは、商品やサービス、アイデアなどをあらゆる媒体を通して多くの人に発信するためのもの。プランニングや制作、掲載など広告に関わる様々なサービスを担うのが広告業界です。
では、その詳しい実態について見ていきましょう。
広告業界の特徴
広告の種類は大きく分けると、以下の3つに分類することができます。
・インターネット広告
・マス広告
・SP広告
従来の広告業界では、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌などを利用して広告を発信するのが一般的でした。しかし、近年はインターネットの普及により、Webを通して広告を配信する広告主が増えてきています。
特に、最近では人気YouTuberやインスタグラマーなどと提携し、動画広告を配信することで自社の製品やサービスの宣伝を行うという手法が主流化しています。
今後もIT化はますます加速していくことが見込まれるため、それに伴い、広告業界のあり方も変化していくことでしょう。
広告業界の市場規模
2021年の総広告費は、「2021年 日本広告費」の調査によると6兆7,988億円、前年比10.4%増という結果でした。
これまでの主流はテレビ広告でしたが、2021年は初めてネット広告がテレビ広告を上回り、媒体別の売上高で見てもネット広告がトップに躍り出ました。売上高も、2兆7,052億円(前年比21.4%増)を達成。
また、2020年は新型コロナウイルスの流行により、広告業界も大きな打撃を受け、売上高も減少しました。しかし、2021年には徐々に経済の回復が見られ、売上高も元の水準に戻りつつあります。
さらに、社会のDX化に伴い、デジタルを活用した広告が日常的にも多く見られるようになりました。これからの広告業界はインターネット広告が主流となり、その市場はますます拡大していくことが予想されます。
参照:dentu|2021年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析
電通報|「2021年 日本の広告費」解説
広告業界の主な職種
広告業界における主な職種は、以下の4つです。
・営業(プロデューサー)
・クリエイティブ
・マーケティングプランナー
・データサイエンティスト、エンジニア
中でも、花形と言われるクリエイティブ部門ではコピーライターやアートディレクター、グラフィックデザイナーなど、実際に広告制作に携わる職種が含まれています。
また、近年ではインターネット広告の普及により、データを収集して分析を行うデータサイエンティストなどの需要が高まりつつあります。
このように、広告業界と言っても様々な職種が存在するため、まずは自分の適性に合った職種を正しく選択することが重要です。そうすることで、入社後のミスマッチが起きにくく、やりがいを持って仕事に取り組めるようになります。
広告業界で求められる人材
広告業界で求められる人材は以下になります。
・コミュニケーション能力が高い人
・積極的に知識を吸収し、トレンドを敏感に察知できる人
・能動的に行動できる人
・最後まで仕事をやり抜く責任感がある人
・チャレンジ精神が旺盛な人
広告業界においてどの職種でも総じて求められるのは、「責任感が強く、主体的に行動できる人」です。
広告業界の仕事は、過密なスケジュールの中で多くの人と連携を取りながら、プロジェクトを進めていく必要があります。そのため、責任感を持ってプロジェクトを成功に導ける人であれば活躍していけるでしょう。
また、広告業界はトレンドの移り変わりが激しいため、スピード感が何よりも大切です。そのため、常に最新の情報を敏感に察知し、世論が求めているニーズを読み取れる方は重宝される傾向にあります。
さらに、業務を行う上ではクライアントや制作に関わる協力会社、社内のチームメンバーなど、多くの人との関わりが不可欠です。そのため、誰とでも円滑にコミュニケーションが取れる方が広告業界では求められています。
広告業界の面接攻略のポイント
人気が高い広告業界の面接で重要なのは、他者と差別化できる自分だけの魅力を伝えること。面接官はこれまでに何人もの応募者を見てきているため、ありきたりな回答では彼らの印象に残ることはできません。
そのため、志望動機を話すにしても「なぜこの業界に興味を持ち、自分の強みをどのように活かして会社に貢献したいのか」のように、自分なりのエピソードと絡めて説明できると、あなたの人となりを十分に伝えることができるでしょう。
その他にも重要なポイントについて下記でまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
広告業界で活かせる自分の強みを書き出してみる
面接は自分の魅力を存分にアピールする場であり、面接官に「一緒に働きたい」と思わせることがカギになります。
そのため、まずは自分にはどんな強みがあるのかを実際に紙などに書き出してみましょう。人に自分を知ってもらうには、前提として自分自身が自分のことをきちんと理解している必要があります。
ただ、ここで注意が必要なのは広告業界で活かせる強みに限定すること。どんなに優れた強みであっても、働く上で必要のない能力では全く意味がありません。
広告やCMを自分なりに分析する習慣をつけておく
広告業界の面接では、「あなただったらどのような広告を作りたいか」など、実際にアイデアを求められることがあります。
そのような質問にも問題なく回答できるようにするためにも、日頃から広告やCMには目を向け、自分なりに分析する習慣を身につけておきましょう。
広告やCMには、サービスを購入してほしいターゲットが魅力に感じる表現法やワードなどが無数に散りばめられています。
そうしたピースを組み合わせることで、どのような意図で制作されたのかなど、その背景までをしっかり理解できるようになります。
加えて、自分が制作側だったらどんなキャッチコピーをつけるか、どんな有名人を起用するかまで考えられると、発想力が鍛えられるのでおすすめです。
日頃から論理的な構造で話をする練習をしておく
広告業界で働くためには、対話スキルが非常に重要です。そのため、面接でも応募者の受け答えから、論理的な構造で話を展開できる人材なのかを見極めていると考えられます。
ポイントは、結論から話し始めること。ダラダラと余分な説明が続いてしまうと、結局何を言いたいのかが分からなくなってしまうため、回答するときは結論ファーストで簡潔にまとめることを意識しましょう。
そうしたことを自然にできるようにするためにも、日頃から論理的な思考で物事を考え、相手にとって分かりやすい説明を心がけることが大切です。
広告業界でよく聞かれる質問と回答例
<よく聞かれる質問>
・志望動機について
・学生時代に最も力を入れていたことは何ですか?
・入社後に実現したいことはありますか?
・人とコミュニケーションを取る上で最も大切にしていることは何ですか?
・今までに自分のアイデアを形にした経験はありますか?
・自分を表現するとしたらどんなキャッチコピーが思い浮かびますか?
・InstagramとFacebook、どちらが好きですか?理由も含めて教えてください。
・広告業界にどんなイメージを持っていますか?
・好きなCMは何ですか?
・最近気になる広告はありますか?
・これからの広告はどうあるべきだと思いますか?
・あなたを動物に例えるとしたら何ですか?
・あなたを一言で表してみてください。
上記が広告業界でよく聞かれる質問の一覧です。広告業界を志望している方は、最低限これらの質問にはスムーズに回答できることが必須なので、まずは自分なりの回答を実際に作ってみましょう。
以下では、質問を3つピックアップし、それぞれの回答例と解説を紹介しています。
人とコミュニケーションを取る上で最も大切にしていることは何ですか?
<回答例>
私は「相手を理解すること」を大切にしています。
コミュニケーションは会話を通して、お互いの意思を通じ合わせることです。
会話をするときは相手の話に耳を傾け、何を伝えようとしているのかを理解する努力をすることで、初めて相手のことを深く知れるようになります。
また、相手に説明をしたり、自分の要求を伝えたりする場合は、相手の立場や知識量を踏まえ、話す相手によって伝え方を考慮することが必要です。
そのような考えから、どんな人でも円滑に意思疎通できるようにするには、相手の立場になって考え、相手を理解することが何よりも重要だと考えます。
<解説>
この質問には、応募者のコミュニケーションに対する考え方や、人との関わり方に対する価値観を知る意図があります。
広告業界での仕事は、多くの人と関わり、協力しながらプロジェクトを進めていくことが必要です。
そのため、このような質問をすることで、応募者が「入社後も周囲と円滑にコミュニケーションを取りながら働ける人材なのか」を判断しているのだと考えられます。
ポイントは、論理的な構成で話を展開すること。大切だと思うことに加えて、その理由について簡潔に述べ、分かりやすく伝えることを意識しましょう。
今までに自分のアイデアを形にした経験はありますか?
<回答例>
あります。学生時代の学園祭での経験です。
私が所属しているサークルでは「喫茶カフェ」を開くことになっていたのですが、当日貸し切りにできた教室は、メイン広場からは少し分かりにくい場所に位置していました。
当然、多くのお客さんに足を運んでもらいたかったので、私はそのカフェを「隠れ家カフェ」として宣伝し、指定した時間内に来店してくれたお客様にはドリンク1杯を無料でサービスするイベントを企画しました。
また、喫茶カフェの道筋を示したPOPも制作し、アンティーク調のカフェの雰囲気に合ったデザインも考案しました。
そうした努力が実り、当日は予定していた4倍の数のお客様に来店していただける結果となったのです。
このような発想力を御社でも活かし、多くの人が魅力に感じるユニークな企画やアイデアを積極的に考案していきたいです。
<解説>
広告業界では発想力が武器になる職種が存在するため、これまでに率先してアイデアを形にしてきた経験は十分なアピールポイントになります。
重要なのは、実体験に基づいたエピソードと絡めて説明すること。具体的な背景像があることで、話に真実味を持たせることができるので、この人は「入社してからも実直に仕事をこなしてくれる」という印象を与えることができます。
あなたを動物に例えるとしたら何ですか?
<回答例>
「ペンギン」だと思います。
理由は、ペンギンは集団での行動を好み、仲間思いの一面があるため、そういった部分が私の性格に当てはまっていると感じるからです。
私は昔からチームで協力して何かを成し遂げることが好きで、学生時代もバレーボール部に所属していました。仲間と切磋琢磨し、助け合いながら練習に臨んだ日々は、今でもかけがえのない経験として深く記憶に残っています。
御社でもチーム内でのコミュニケーションを大切にし、目標達成のために継続的に努力していきたいです。
<解説>
一見すると、この質問は広告業界とは全く関連性のないものに感じられます。しかし、こうした突拍子のない質問をすることで面接官は応募者の素の部分や柔軟性、頭の切れなどを判断しているのだと考えられます。
そのため、このような質問では内容自体は大して重視されていません。突発的な質問に対して、咄嗟にどこまで上手く切り返しができるかが重要になってきます。
ポイントは、回答に対する理由や背景をしっかり伝えること。根拠付けができている説明であれば、臨機応変に対応できる力が備わっている人材であると判断されるため、高評価につながりやすくなります。
まとめ
広告業界は華やかなイメージのある業界ではありますが、求められるスキルは多く、実際に入社してからも継続的に知識を学んでいく必要があります。
そうしたこともふまえた上で広告業界に挑戦したいと考えている方は、早期から業界研究を行い、自分に合った対策法を見つけていきましょう。
\業界研究のご相談も!転職支援サービスお申込みはコチラから(無料)/